Jan 04, 2012

商事始め式社長挨拶

新年明けましておめでとうございます。

 2011年は、東日本大震災による未曾有の大災害、それに続く原子力発電所の事故で、日本にとっては苦難の年となりました。この震災では、多数の方が被災され、尊い人命が失われました。被災者の方、ご家族や関係者の方に心からお見舞いを申し上げます。また被災地の復興が一日も早いことをお祈り致します。

 昨年は、世界においても、ギリシアの債務危機を発端とする欧州のソブリン問題や、米国の雇用不安、タイの洪水被害によるサプライチェーンの途絶等、激動の1年でありました。しかしながら、「物流」が人々の生活や世界の企業間のサプライチェーンに、いかに深くかかわっているかということを実感した年でもあります。 我社にとっては、昨年4月を皮切りに海外各国での統合が進み、中国とインドネシアを除いた世界35ヶ国において統合が完了致しました。それぞれの部署でがんばって来られた皆さん、一年間ご苦労様でした。同時に、世界各国・各地域で「郵船ロジスティクス」として初めての新年を皆さんと共に迎えられることを大変うれしく思います。

 昨年1年を振り返ってみると、東日本大震災後、生産・輸出を中心に日本経済は大きく落ち込みました。 我社においても震災の影響は大きく、上半期は業績予想を大きく下回る結果となりましたが、皆さんの懸命の努力により、下半期に入って地域によって多少のばらつきはあるものの回復傾向にあります。しかしながら、依然として欧州での金融不安、米国での消費低迷等、我々を取り巻く環境は厳しいものであります。

 このような中、昨年4月より「郵船ロジスティクス」としての中期経営計画「GO FORWARD, Yusen Logistics」がスタートしました。この経営計画においては、「統合」、「融合」、「飛躍」をキーワードとしています。 「統合」については、冒頭にも述べました通り、中国とインドネシアを除く海外各国各地域において「郵船ロジスティクス」が誕生しました。この統合により、規模や取扱い領域が拡大し、世界を舞台に戦う体制が整いました。本年は「飛躍」に向けて、YLKグループの各個社が真の「融合」を進めなければなりません。それぞれが異なった背景の中で発展してきましたので、当然考え方の違いや文化の違いがあります。この「違和感」を払拭し、各地域、各現地法人、各部門、それぞれの内部で融合を果し、インターナショナルな総合物流業者である一つの会社として前に進む年であります。

 本中期経営計画の最終年度となる2013年度において、営業収益5,000億円、経常利益185億円、航空貨物事業では50万トン、海上貨物事業では100万TEUの取扱いを、コントラクトロジスティクス事業においては、「No. 1 Kaizen カンパニー」を目指しています。初年度にあたる2011年度は世界における経済環境の大きな変化があり、また当社としても統合元年ということもあり、準備不足は否めず、残念ながら当初の目標数値を大きく下回る予想です。 2012年度については、世界的な経済環境の変化に対応した形で事業計画策定の作業を開始しました。 各地域で、特に航空事業と海上事業の商権を大きく伸ばすためには、何をしなければならないかを真剣に討議し、目標設定し、それに邁進しててもらいたいと思います。

 具体的に商権を伸ばす方策としては、CAPアカウントの取り込みはもちろんのこと、地域や事業部を超えた重要顧客へのアプローチ、産業別の新規営業活動、そしてグローバル企業に対する営業活動を推進していきます。年々お客様のニーズが多様化している中では、三国間輸送の取扱いや非日系企業の顧客の取り込みも推進させなければなりません。そのためには、各国での営業力を強化すると同時に各国間の連携が不可欠であり、グローバルな総合物流業者としての強みを十分に活かして取り組んで欲しいと思います。また、コントラクトロジスティクス事業では各社・各地域で営業力強化とコスト削減で黒字化を恒常化し、更にNo. 1 Kaizenカンパニーを目指し、郵船ロジスティクスブランドに恥じない高品質プロダクトの提供をして下さい。

  YLKグループの柱となる航空・海上・コントラクトロジスティクス事業において、キーとなるのは「品質」です。皆さん一人一人が輸送サービス品質にこだわり、メード・イン・ジャパンの高品質で、きめ細やかなサービスをお客様に提供し続けるという地道な努力が必要になります。この「サービス・メード・イン・ジャパン」を郵船ロジスティクスのブランドの基調として他の物流企業との差別化を図っていきましょう。

 このようなインターナショナルで大きな規模の会社になっても、一番大切なのは人材です。全世界に広がるネットワークに加え、陸・海・空すべてのサービスを提供できることを武器に、マルチな営業が出来る物流のプロの育成が急務です。昨年11月には世界各地より32名の中堅営業社員が東京に集まり、グローバル営業研修を行いました。この第1期生が研修プログラムを無事終えるためには、各地域、各個社でのフォローアップが重要となります。また日頃の業務の中でも、個人個人がグローバルな組織を持ったインターナショナルな物流業者であるという認識を持ち、そのために何をしなければならないのかを常に考え、努力を積み重ねて下さい。

 一方、社会の構成員である企業と我々は、社会倫理や人権保護、地球環境や地域社会などに配慮する必要があります。会社の常識が社会の非常識とならないようグループ社員の一人一人が法令を遵守することはもとより、企業倫理行動指針や社会倫理に従って企業活動や日常業務を遂行する中で、社会から評価され、尊敬される会社とならなければなりません。また、地球市民の使命として自らの責任において、地球環境保全に取り組み、持続可能な社会作りに貢献することが求められています。日本においては、「新生の森」と名づけた森の整備作業や、グループ会社による東日本大震災の被災地でのボランティア活動、世界の各地でも植林活動や様々な社会貢献活動を行なっています。普段から各個人の社会での役割を考え、各極、各個社においてもコンプライアンスの遵守をお願い致します。

 本年は欧米の経済不振、中国やインドの成長にも陰りが見えており、世界経済の不透明感がぬぐえず、大変難しい年になることが予想されます。しかし「物流」は世界では成長産業です。また我社はまだ若く、大きく発展する可能性を持っています。今年の干支である「龍」のごとく、上を目指していくという方針に変わりはありませんし、「GO FORWARD、Yusen Logistics」は不変です。NYKのグループバリューである「誠意・創意・熱意」を持って、目標に向かって前へ前へと力強く進んで行きましょう。